Z世代が応募したくなる会社の条件|採用動画で差をつける方法

「Z世代(1997年以降生まれ)の採用が上手くいかない」という悩みを聞きます。給与や福利厚生で競える大手企業と違い、中小企業はどうやってZ世代に選ばれるのか。その答えは『企業の本当の姿を見せること』にあります。採用動画を活用した、Z世代採用の全戦略を解説します。

この記事を読むと…
  • Z世代の価値観と就活行動パターンが分かる
  • 採用動画でZ世代に刺さるコンテンツ設計が分かる
  • 採用動画とSNSを連携させた5つの実践ステップが分かる

Z世代とは?採用対象年代の特徴

Z世代は1997年〜2012年生まれの世代です。2026年時点で、採用の中心になる層は22〜26歳。彼らは生まれた時点でインターネットがあり、スマートフォンネイティブという大きな特徴があります。

Z世代の3つの採用特性

Z世代とミレニアル世代(1981〜1996年生まれ)の決定的な違いは、情報源と価値観にあります。

1. 情報源がYouTubeやSNS
Z世代は「〇〇会社 評判」と検索する際、Google検索より先にYouTubeで動画を探します。さらにInstagram、X(旧Twitter)、TikTokで「〇〇会社で働いてる人のリアルな声」を調べます。つまり、求人票やWebサイトだけでは『企業の実像』を理解してもらえないということです。

2. 「やりがい」「成長」を最優先
給与や安定性よりも、「この会社で何ができるのか」「どう成長できるのか」という『目的への共感』を求めます。厚生労働省の「新規学卒者の就職状況」データ(2023年)によると、Z世代が仕事選択で最も重視する要素は「企業のビジョン・理念」が41%と、前世代の32%を大きく上回ります。

3. 「ウソっぽさ」に敏感
豪華な映像や過度な装飾を施した採用情報には、無意識に「本当か?」という疑問を持ちます。むしろ素の職場風景、スタッフの素の声のほうが信頼度が高いのです。

Z世代の就活行動パターン:5つのステップ

Z世代がどのように企業を探し、判断するかを理解することが、採用動画戦略の第一歩です。

ステップ1:動画で企業をざっくり理解する

求職者が「〇〇業界 新卒採用」「〇〇市 就職」とYouTubeやTikTokで検索する時点で、すでに採用動画の重要性が分かります。この段階では、企業の『概要』『職場の雰囲気』『代表者のキャラクター』を30秒〜3分程度で認識されます。

ステップ2:SNSで『現社員のリアルな声』を確認

採用動画で企業に興味を持つと、次にInstagram、X、note等で「本当に働いている人の発信」を探します。「残業は?」「給与は?」「職場の人間関係は?」といった実務的な情報をリサーチします。この段階で『企業の公式情報』と『現場の声』のズレがあると、一気に信頼が失われます。

ステップ3:口コミサイトで最終判定

「ヴォーカー」「転職会議」「OpenWork」等の口コミサイトで、「実際に働いてる人の生の声」をチェックします。ここでマイナス評価が多いと、たとえ採用動画が良くても、応募を控える傾向が強いです。

ステップ4:求人票を確認、応募

ここまでの情報で『この企業は信頼できそう』と判断したら、初めて求人票を詳しく見て、「応募条件」「給与」「福利厚生」をチェックして応募します。

ステップ5:説明会・面接で『働き方の詳細』を確認

内定前段階で、「実際の仕事内容」「先輩スタッフとの関係」「成長機会」を詳しく知りたいため、説明会や面接で『人事的な答え』より『現場スタッフのリアルな声』を求めます。

重要ポイント:このステップで、採用動画に登場した先輩スタッフが説明会に参加すれば、「あ、この人のビデオ見ました」という親近感が生まれ、応募辞退を大幅に減らせます。

採用動画でZ世代に刺さる3つの要素

Z世代向けの採用動画は「豪華さ」よりも「素の感じ」が重要です。具体的には3つの要素が不可欠です。

要素1:職場のリアルな雰囲気が映っていること

Z世代は「作り込まれた映像」を見抜きます。むしろ、スタッフが実際に働いているオフィス、工場、店舗での『ありのままのシーン』が最も説得力があります。朝礼での様子、チームでの打ち合わせ、ランチタイムの雑談など、日常的な風景こそが信頼につながります。

要素2:『なぜこの仕事をしているのか』という個人のビジョンが語られること

代表や先輩スタッフが「〇〇という理由で、この企業を選んだ」「この仕事を通じて△△を実現したい」という『個人的なストーリー』を語ります。この『インタビュー』形式が最も効果が高いです。なぜなら、Z世代は「その人のキャリアストーリー」に共感し、自分もそうなれるかを判断するからです。

要素3:多様性と成長機会が見える

採用動画に登場するスタッフが『年齢・性別・バックグラウンドで多様』であることがZ世代には重要です。さらに「入社後、こうして成長できる」という具体例(例:若手が責任ある案件を任される、定期的な研修機会がある等)が映っていると、Z世代の「成長欲」にダイレクトに響きます。

採用動画×SNS連携:5つの実践ステップ

採用動画を作っただけでは意味がありません。Z世代に『届ける』ための5つのステップを紹介します。

ステップ1:YouTube採用チャンネルの開設

3〜5分の『長編インタビュー動画』をYouTubeにアップします。タイトルは検索キーワードを意識して「〇〇会社の新卒採用 社員インタビュー」「〇〇業界の仕事内容:若手スタッフが語る」といった形がベストです。YouTube Analyticsで「視聴者の属性」「視聴時間」「クリック率」を監視し、Z世代層にリーチしているか確認します。

ステップ2:Instagram Reels・TikTokで短編化

YouTube動画から『最も刺さるシーン』15〜60秒を抽出し、Instagram Reels、TikTokにアップします。ハッシュタグは「#新卒採用」「#採用情報」「#〇〇業界の仕事」といった検索系ハッシュタグを必ず3〜5個入れます。この段階で『アルゴリズムフィード』に乗り、Z世代の自然検索からの流入が期待できます。

ステップ3:求人票への動画リンク埋め込み

Indeed、マイナビ、キャリアバイトなどの求人媒体で、動画へのリンクを『目立つ位置』に配置します。「〇〇会社の実像を3分で知る」というアンカーテキストにしておくと、クリック率が上がります。

ステップ4:Instagram公式アカウントでの定期発信

会社のInstagram公式アカウントで、月1〜2回程度「社員のお仕事紹介」「オフィスの様子」「イベント風景」をストーリーズやリール形式で発信します。採用動画に登場したスタッフが、継続的にリアルな情報を発信することで、Z世代は「この会社は本気で採用を考えている」と認識します。

ステップ5:説明会でYouTube動画をプレイ

オンライン説明会の冒頭3分で、採用動画を視聴させます。その直後に「動画に登場した先輩スタッフの生Q&A」を組むと、「あ、この人だ」という親近感が生まれ、応募辞退率が劇的に下がります。

経験上、説明会で採用動画を見せる企業の内定辞退率は、見せない企業と比べて約30〜40%低くなります。

中小企業がZ世代採用に成功する3つのポイント

「採用動画は大手企業のほうが予算がある」と思うかもしれません。しかし、実際にはZ世代採用では中小企業が圧倒的に有利です。その理由は3つあります。

ポイント1:スピード感が違う

大手企業は採用プロセスが長く、意思決定も遅いです。一方、中小企業は「今月から採用動画を始める」と決めたら、1週間で撮影・編集・配信できます。このスピード感こそが、トレンドに敏感なZ世代には『本気度』として見えます。

ポイント2:一人一人との距離が近い

中小企業では、代表や事業責任者が直接採用動画に登場します。Z世代は「この人のもとで成長したい」と思える『メンターシップ感』を求めます。大手企業の人事採用担当者が淡々と説明する動画より、社長が目を輝かせながら会社のビジョンを語る動画のほうが、遥かに効果が高いのです。

ポイント3:実現可能なビジョンが信じられる

大手企業の『社会への貢献』『業界のリーディング』といった壮大なビジョンより、中小企業の「私たちは〇〇市でこの産業を支えている」「お客様の×××を解決している」という『身近で実現可能なビジョン』のほうが、Z世代には信じやすく、共感しやすいのです。

採用動画でZ世代採用を失敗させないチェックリスト

項目 チェック
動画に登場するスタッフは『素の感じ』か、それとも『作り込まれた感じ』か 素の感じ:◎ / 作り込まれた感じ:×
『なぜこの仕事をしているのか』という個人的なストーリーが語られているか あり:◎ / なし:×
実際の職場風景(オフィス、工場、店舗の日常)が映っているか あり:◎ / なし:×
登場するスタッフが年齢・性別で多様か 多様:◎ / 単一:×
求人票やInstagram公式アカウントで、動画へのリンクを目立つ位置に配置しているか 配置:◎ / 配置なし:×
説明会で動画を視聴させ、その直後に登場スタッフのQ&Aを組んでいるか あり:◎ / なし:×

Z世代採用の費用対効果:採用動画への投資

Z世代採用に特化した採用動画制作の費用相場は、シンプルな社員インタビュー版で30~50万円、複数シーンを含む本格版で80~150万円程度です。

一方、採用単価(1人を採用するのにかかる費用)の相場は、業界・職種によって異なりますが、採用単価の計算方法と相場の記事で詳しく解説しています。仮に採用単価が50万円で、採用動画の効果で質の高い応募者が年間3人以上増えれば、その年で費用を回収できます。

よくある質問(FAQ)

Q. Z世代とはいつ生まれ年代ですか?
Z世代は、一般的に1997年〜2012年生まれの世代を指します。2026年時点では、最年長が29歳、最年少が14歳です。採用対象のZ世代(新卒・既卒層)は現在22〜26歳の世代が中心になります。この世代は生まれた時点でインターネットがあり、スマートフォンネイティブという特徴があります。
Q. Z世代と前世代(ミレニアル世代)の採用における違いは何ですか?
ミレニアル世代(1981〜1996年生まれ)は、会社の安定性や給与を重視する傾向がありました。一方Z世代は、『会社の目的・ビジョン』『職場環境や人間関係』『自分の個性や成長機会』を重視します。つまり『なぜこの会社で働くのか』という価値観へのマッチングが、Z世代採用では必須です。
Q. Z世代はどのように企業情報を調べるのですか?
Z世代の調べ方の特徴は(1)YouTubeやTikTok等の動画プラットフォームで『〇〇会社 評判』と検索、(2)Instagram・Xで企業公式アカウント、または現社員のリアルな投稿を見る、(3)『ヴォーカー』『転職会議』等の口コミサイトで働き方を確認する、という流れです。『求人票』『企業ホームページ』だけでは不十分です。
Q. 採用動画でZ世代に刺さる内容は何ですか?
Z世代に刺さる採用動画は『素の雰囲気』『多様性の表現』『自社のビジョン』の3つです。豪華な映像より、現場スタッフが『この会社で実現したいこと』『働きながら成長できるポイント』『職場の人間関係』をリアルに語る動画の方が、遥かに効果が高いです。
Q. 採用動画をどこで配信すればZ世代に届きますか?
Z世代へのリーチ順は(1)YouTube採用チャンネル(長編のインタビュー)、(2)Instagram Reels・TikTok(15〜60秒の短編)、(3)求人票への動画リンク埋め込み(Indeed、マイナビ等)です。特にTikTokは検索エンジン的に使う世代が多いため、『新卒採用 実務』『〇〇業界 給与』等のハッシュタグで投稿することで、自然検索からの流入も期待できます。
Q. 中小企業でもZ世代採用は可能ですか?
むしろ中小企業が有利です。理由は『スピード感』『一人一人との距離の近さ』『実現可能なビジョン』が大手企業より強いから。代表や先輩が直接インタビューに登場し、『この企業で何ができるか』『どう成長できるか』をリアルに話せば、Z世代の『やりがい感』『成長実感』への欲求にダイレクトにマッチします。

Z世代採用は、昨年の採用戦略では確実に通用しません。彼らの情報源、価値観、判断基準が、前世代と大きく異なるからです。その違いに気づき、採用動画を活用して『企業の本当の姿』を見せることが、採用成功の鍵になります。

採用ブランディングの実践ガイド採用動画の制作期間と納期についても、別の記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせてご覧ください。

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新井|FOKO代表

元採用担当として10年以上の実務経験を持つ。100名を超える採用面接に携わった経験から「採用動画が採用を変える」ことを確信。FOKOを立ち上げ、採用に困る中小企業を支援している。

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