介護業界の採用動画|"きつい"イメージを払拭する7つの鉄則【2026年版】

介護業界は日本で最も深刻な人手不足に直面しています。有効求人倍率が4倍を超え、多くの施設が「人が集まらない」「集まってもすぐに辞める」という悪循環に陥っています。その背景にあるのが「きつい・汚い・給料安い」という3K問題です。しかし、この問題は採用動画によって根本的に向き合い、乗り越えることができます。本記事では、介護施設・訪問介護事業所・デイサービス運営者が今すぐ実行できる、現場のリアルを映し出し、応募者の期待値を正確に伝える7つの採用動画制作の鉄則を徹底解説します。

介護業界が直面する採用課題の実状

介護業界の人手不足は、もはや各施設の採用努力では解決できないレベルまで深刻化しています。具体的な数字を見てみましょう。

有効求人倍率:介護職の有効求人倍率は約4.0倍です。これは全職種平均の1.2倍を大きく上回り、職業別でも最も高い水準です。(出典:厚生労働省 職業別有効求人倍率、2024年度データ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_shougaisha/jitsujo/gaiyou.html)

介護職員不足率:訪問介護事業所の約35%が介護職員の不足を報告しており、多くの事業所が定員割れの状況で運営を余儀なくされています。

高い離職率:介護職員の年間離職率は約15~20%で、一般労働者の平均(約3%)の5~7倍に達しています。

高齢化と需要増:日本の65歳以上人口は2070年まで増加し続け、介護需要は急増します。一方で労働人口は減少するため、供給と需要のギャップはさらに拡大するでしょう。

この危機的状況の中で、介護施設の多くは求人媒体に多額の費用を投じています。しかし、お金を支払えば人が集まる時代は終わりました。今必要なのは「現場のリアルを知った上で、それでもこの仕事をしたいと思わせる」仕組みです。それが採用密着動画の役割です。

「きつい」イメージを払拭する動画戦略の考え方

「きつい・汚い・給料安い」という3K問題に対して、多くの施設は「いや、本当はそんなことない」という言い張り型のアプローチを取ります。これは誤りです。なぜなら、現実に職場にはきつい部分も存在するからです。ここを無視して美化した動画を作ると、入職後のギャップが生まれ、離職につながってしまいます。

実際のところ、介護職の肉体的・精神的負担は決して軽くありません。厚生労働省『介護労働実態調査』によると、介護職員が悩んでいる点として挙げられるのは「賃金が安い」(約60%)、「身体的な疲労」(約55%)、「職員の不足」(約50%)です。これらの課題は、一つの採用動画で解決できるものではありません。

しかし「隠す」のではなく「向き合う」ことで、採用動画は大きく変わります。これは「問題を認める」ではなく「問題に真摯に取り組んでいる施設の姿勢を見せる」ということです。

採用動画で大切なのは「払拭」ではなく「向き合う」ことです。具体的には以下の3ステップです。

ステップ1:現実を誠実に映す

身体的な負担、夜勤の疲労、感染症対策の手間など、現場のきつい部分もありのままに映します。これが信頼の第一歩です。

ステップ2:その先にある「喜び」を見せる

身体的な負担があるけれど「利用者さんの笑顔が見られた」「感謝された」「一人の人生に深く関わることができた」という、仕事の意義や充実感を映します。

ステップ3:職場環境の改善への真摯な取り組みを示す

給与改善、働き方改革、資格取得支援など「きつさを軽減するための努力」を見せることで、経営層が職員の働き方に本気で向き合っていることを伝えます。

この3ステップができてこそ、動画は「求職者の期待値を正確に伝える信頼できるツール」になるのです。

鉄則① 利用者とスタッフの距離感を可視化する

介護職の本質は「対人関係の仕事」です。給与や労働条件は確かに大切ですが、多くの介護職が仕事を続ける理由は「利用者さんとの関係」にあります。

採用動画では、この「関係の豊かさ」を可視化することが極めて重要です。具体的には以下のシーンを捉えましょう。

  • 朝の声かけ:起床支援時のスタッフと利用者さんの何気ない会話
  • 入浴介助:身体介助の中での笑顔や信頼関係
  • 食事の時間:スタッフが利用者さんの好みを知っていて「今日は○○さんの好きなおかず入ってますよ」と声をかける様子
  • 外出支援:散歩やレクリエーション時の利用者さんの表情
  • 夜間の見守り:夜勤スタッフが利用者さんを気遣う姿勢

重要なのは「演出されたシーン」ではなく「日常の自然な会話と関係」を映すことです。利用者さんがスタッフの名前を親しみを込めて呼ぶ、スタッフが利用者さんの個性やニーズを細かく覚えている、そういう「距離の近さ」が大規模施設では決して見せられない中小企業の強みです。

また、複数の利用者さんとの関係を映すことで「この職場では、一人ひとりの利用者さんと深く関わることができる環境」というメッセージを伝えられます。

鉄則② 1日の流れを等身大で見せる

「介護職はどんな1日を過ごしているのか」という疑問は、求職者の最大の関心事です。しかし、多くの施設は「華やかな時間」だけを抜き出した動画を作ってしまいます。これは避けるべきです。

このセクションが採用動画全体の「信頼度」を左右します。なぜなら、求職者は「この動画に映っているスケジュールが、本当に日常なのか」「編集で都合よく切り取られていないか」を無意識のうちに判断しているからです。

採用動画では「朝6時の起床準備から夜間対応まで」の実際の流れを、無加工で見せることが重要です。以下のような流れが望ましいです。

時間帯 実際の様子 動画に映すポイント
6:00~8:00 夜勤スタッフの引き継ぎ、利用者さんの起床支援 朝の業務の忙しさ、スタッフ間の連携
8:00~9:00 朝食準備・喫食、口腔ケア 基本的な介助業務の実际
9:00~12:00 入浴介助、リハビリ、レクリエーション 身体介助の手順、利用者さんの笑顔
12:00~13:00 昼食準備・喫食、休憩 スタッフの休憩風景(実際の疲労や息抜き)
13:00~17:00 午後の介助業務、レクリエーション、清掃 ルーチン業務と創意工夫の様子
17:00~19:00 夕食準備・喫食、入浴介助、夜間対応準備 夜勤への引き継ぎ、スタッフの疲労と充実感

大切なのは「美化しない」ことです。スタッフが疲れた表情をしている場面も、利用者さんの対応に試行錯誤している様子も、すべてありのままに映します。そしてそれでも「やりがいを感じている」様子が伝わることが、最も説得力のある採用メッセージになるのです。

重要:「休憩時間」の映り方がすべてを物語る

採用動画で最も誤解が生じやすいのが、昼食時間や休憩時間の映り方です。多くの施設は「明るく、楽しい雰囲気の休憩室」を映そうとします。しかし本当に大切なのは「スタッフが心身ともにリセットできるのか」という現実です。

実は、疲れ切ったスタッフが休憩室で休んでいる、そういう自然な場面の方が「この施設は長時間労働を強いていない、スタッフの疲労を認識している」というメッセージが伝わります。逆に、無理に笑顔で談笑している場面ばかりを映すと「この動画は演出されている」という違和感につながるのです。

鉄則③ キャリアパスと資格取得支援を明示する

「この仕事を続けたら、どうなるのか」という不安は、若い求職者にとって大きな課題です。多くの人が「将来、体が壊れるまで現場で働き続けるのか」と心配しています。

採用動画では、以下のようなキャリアパスを明確に示すことが不可欠です。

現場スタッフから管理職・リーダーへ

実際に「新卒で現場に配置された人が、5年後にはサブリーダーになり、10年後には施設長候補になった」というストーリーを、その人物へのインタビューで映します。現場経験がリーダーシップにどう活きているかを具体的に語らせることが重要です。

資格取得支援への投資

介護職員初任者研修、実務者研修、介護福祉士国家資格取得に向けた施設のサポート体制を見せます。

  • 研修受講時の勤務調整
  • 受講費用の補助・全額負担
  • 合格支援のための勉強会開催
  • 資格取得後の待遇改善

これらが「制度」ではなく「実際に何人の職員が資格取得できたのか」という実績で示すことが説得力を生み出します。

多様なキャリア選択肢

施設内での異動、訪問介護への転換、ケアマネジャーへの道、生活相談員への転職など「介護職から別の職種への選択肢」があることを示します。すべてのスタッフが現場で働き続けることを強制しない、という施設の姿勢が伝わることが大切です。

鉄則④ 「感謝される仕事」のリアリティを捉える

介護職の最大のモチベーション源は「利用者さんや家族から感謝される」ことです。これは給与や労働条件では代替できない、人間関係の仕事ならではの充足感です。

採用動画では、この「感謝の瞬間」を生々しく捉えることが極めて重要です。実際、厚生労働省の調査によれば、介護職がやりがいを感じる場面として「利用者さんの笑顔や感謝の言葉」を挙げるスタッフは約70%に達しており、これが仕事を続ける理由になっているのです。

利用者さんからの直接的な感謝

「○○さんがいてくれたから、もう一度外に出ることができた」「あなたのおかげで、毎日が楽しい」といった言葉を、利用者さん本人の口から、自然な流れで動画に収録します。演出ではなく、日常の中での本当の感謝の言葉です。

家族からの感謝

「親がこちらの施設に来てから、表情が明るくなった」「我が親のことをこんなに丁寧に見てくれる職場がある、ということに涙が出ました」という家族の声も強力です。介護職は「利用者さん」だけでなく「その家族」も幸福にしている仕事だ、ということが伝わります。

同僚からの評価

「新人の○○さんは、利用者さんにこんなに細かく目配りができる人。その姿勢から私も学んでいます」という同僚からの言葉も、採用ターゲットにとって非常に説得力があります。「この職場は、個人の貢献を認め合う環境だ」というメッセージが伝わるためです。

「感謝の瞬間」の収録時の注意点

採用動画で最も陥りやすいのが「感謝シーン」を「作る」ことです。ディレクターが「○○さんに感謝してください」と指示して、その通りに演技させた感謝の言葉は、視聴者にすぐに見抜かれます。大切なのは「自然な日常の中での感謝」を捉えることです。

例えば:

  • 朝の申し送りで「昨日の夜勤、○○さんが丁寧に対応してくれたおかげで、今朝は利用者さんが機嫌よく目覚めていたよ」という自然な会話
  • 帰宅時に利用者さんの家族がスタッフを見つけて「いつもありがとうございます。親が本当に感謝しています」と声をかける場面
  • レクリエーション後に利用者さんが自分でスタッフに「今日も楽しかった、ありがとう」と握手する姿

こうした「編集されていない、ありのままの感謝」を見せることが、求職者の心を最も強く動かすのです。

鉄則⑤ 管理職・ベテランのインタビューで成長を描く

新卒や転職者が最も知りたいのは「長く働いている人はどうなっているのか」ということです。つまり、採用動画には「現場歴10年以上のベテラン」や「現場から管理職になった人」のインタビューが不可欠です。

ベテランスタッフの話す「仕事の奥深さ」

新人の時は「介助技術を身につけること」が目標ですが、5年、10年経つと「利用者さんの心を読み、その人の人生に寄り添う」という別の次元の仕事が見えてくることを語ってもらいます。

「最初の5年は、技術を覚えるのに必死でした。でも今思うのは、介護は技術ではなく『その人を理解し、尊重すること』だ、ということ。その深さが分かってくるのに時間がかかりました。でも今は、仕事がより楽しくなっています」

このような言葉は、求職者の「この仕事は人生の深みがある」という認識につながります。

管理職インタビュー:「なぜ現場から上がってきたのか」

「私は15年間、ほぼ毎日現場で利用者さんと向き合ってきました。その中で感じたのは『個人のスタッフ努力では限界がある。施設全体を変えないと、スタッフの働き方を改善できない』ということでした。だからリーダーになることを決めました」

このような現場からのキャリアアップの道が、実例として示されることで、新入職者にも「将来の可能性」が見えやすくなります。

鉄則⑥ 給与・待遇・働き方改革への取り組みを誠実に開示する

ここが最も難しい、そして最も重要な部分です。「給与が安い」という現実を完全には払拭できません。しかし「給与を上げるために何をしているのか」を誠実に見せることはできます。

具体的な給与情報の開示

採用動画の中で(または付属資料で)以下を明記します。

  • 新卒初任給(実額)
  • 経験年数別の給与モデル
  • 資格取得による昇給額
  • 賞与の有無と実績
  • 処遇改善加算の職員への還元状況

重要なのは「業界平均より高い」と言うことではなく「実際いくらもらえるのか」を明示することです。透明性が信頼につながります。

働き方改革への実際の取り組み

以下のような施設の取り組みを映像で示します。

  • シフト制度の改善:夜勤の回数を減らす、連続勤務を避けるなど
  • 有給休暇の取得促進:「休暇を取ることが当たり前」という職場文化
  • 育児・介護との両立支援:短時間勤務、時短シフトなどの実例
  • 健康診断・メンタルサポート:職員のメンタルヘルス対策
  • 福利厚生:施設内での研修、リラクゼーション施設の提供など

これらを「制度上はある」ではなく「実際にこのスタッフは◎◎制度を使っています」という具体例で示すことが説得力を生み出します。

鉄則⑦ 配信はマルチチャネル戦略で最大化する

採用動画を作ったら「どこに、どう配信するか」が採用効果を左右します。一つのプラットフォームだけに依存するのは避けましょう。実際のところ、介護職を探している求職者の情報収集方法は多様です。年配の求職者はハローワークやIndeedを、若年層はInstagramやTikTokを確認しているのです。

配信先別の戦略

配信先 用途 動画フォーマット
自社採用サイト・HP 採用ページの軸になる動画 フル尺版(5~10分)
YouTube SEO、長期的なブランディング フル尺版 + 短尺ダイジェスト
Instagram・TikTok 若年層へのリーチ、SNS拡散 15~30秒版の複数本
介護求人媒体 求職者への直接訴求 3~5分のダイジェスト版
LinkedIn キャリア志向の層への訴求 キャリアパス特化版
合同説明会 オフラインでのブランディング フル尺版(会場スクリーン用)

ショート動画の活用が不可欠

特に若年層(20代後半~30代)を採用ターゲットにする場合、TikTokやInstagram Reelsでの15~30秒のショート動画が極めて有効です。以下のようなテーマで複数本制作することをお勧めします。

  • 「朝一番の仕事は?」:起床支援の流れ
  • 「利用者さんの笑顔はどんな時?」:レクリエーション場面
  • 「やりがいって何ですか?」:スタッフのコメント集
  • 「1年目スタッフの成長」:ビフォーアフター
  • 「給与明細大公開」:実給与の透明化

配信後の「効果測定」が採用戦略を決める

採用動画を配信した後、最も重要なのが「どんな反応があったか」を計測することです。多くの施設は「動画を作ったら終わり」と考えていますが、実は配信後の3ヶ月が「採用動画の真の価値」を測定する期間なのです。

具体的な計測項目は以下の通りです。

  • 再生数・視聴完了率:その動画がどれだけ最後まで見られたか
  • クリック数(求人ページへの遷移):動画を見た後、実際に応募ページに移動した人数
  • 応募数・応募者属性:応募者が増えたか、そして誰が応募しているか
  • 書類選考通過率:応募した人の質が向上したか
  • 面接辞退率:面接に来た人がどの程度の確率で辞退したか
  • 入職後の離職率:実際に採用した人がどの程度の期間で辞めずに働いているか

これらのデータを定期的に分析することで「どのメッセージが効いているのか」「どこで求職者が離脱しているのか」が明確になります。そしてその情報に基づいて、動画の改善版を制作したり、配信チャネルを調整したりすることで、採用効果を最大化していくのです。

介護業界向け採用動画の費用相場と注意点

介護施設向けの採用動画制作は、一般的な企業採用動画よりも予算が限定されることが多いでしょう。しかし「低コスト = 低品質」は絶対的な方程式ではありません。むしろ、限られた予算の中で「施設の本質を映す」ことに集中することで、より強い採用効果を生み出すことが可能なのです。

制作費用の相場

制作パターン 想定費用 向いている事業所
簡易版(2~3分、1日撮影) 10~30万円 小規模訪問介護、デイサービス
標準版(5~7分、2~3日撮影) 30~80万円 中規模施設、有料老人ホーム
フル版(8~15分、1週間密着撮影) 80~150万円 大規模施設、複数拠点対応
マルチチャネル展開版(複数の短尺版含む) 150~300万円 採用力を最大化したい大型施設

注意点として、「安すぎる制作会社」は避けましょう。採用動画は求職者が「本当の職場」を見ているため、映像品質の低さ、ナレーションの棒読み、不自然な編集などはすぐに「この施設は手を抜いている」という印象につながります。

「処遇改善加算」を活用した費用捻出

介護施設は、介護職員処遇改善加算や職員処遇改善特別加算などの制度から、一定額の収入を得ています。これらの加算は本来「職員の給与向上」に充てるべきものですが、経営判断として「採用動画制作」に一部を振り向けることは、「職員確保と定着」という加算の目的と合致します。

実際のところ「採用動画を作ることで新人が増え、職員の総数が増え、結果として加算額が増加する」という好循環が生まれるケースも少なくありません。つまり、採用動画の制作費は「経営投資」として正当性があるのです。

制作会社選びの7つのポイント

  • 介護業界の理解:介護職の実態を理解しているか。単なる映像制作会社ではなく、介護業界の採用課題を理解しているか
  • 採用動画の企画力:「何を見せるか」の戦略を一緒に考えてくれるか。あるいは企画段階でアドバイスしてくれるか
  • 撮影機器の質:4K以上での撮影に対応しているか。ただしスマートフォンなど低コスト撮影でも、編集センスで補える場合もある
  • 編集のセンス:見やすさ、わかりやすさ、感情への訴えかけのバランスが取れているか。実例として過去作品を確認すること
  • 複数バージョン制作:1本の撮影から複数の短尺版(YouTube用、Instagram用、TikTok用など)を制作できるか
  • アフターサポート:配信後の改善提案、追加編集対応、改善版の制作があるか。制作後の「丸投げ」体制は避けるべき
  • 他の成功事例:同業種での実績があるか、その結果をデータで示しているか。「応募数が◎倍になった」「離職率が低下した」など、具体的な成果を示せるか

制作会社とのコミュニケーションで最も大切なこと

採用動画の制作過程で、制作会社と施設の間で「見せるべき内容」についてズレが生じることがあります。例えば、施設側は「きれいな環境」を見せたいと思っても、本来見せるべきは「日常の業務風景」です。

重要なのは「制作会社を信頼しつつも、採用目標(どんな人を採用したいのか)を明確に伝えること」です。あいまいな指示は、あいまいな動画になります。以下のような情報を事前に制作会社と共有することをお勧めします。

  • 採用したい人物像(年齢層、職務経歴、人物特性など)
  • 採用ターゲットの情報収集ルート(求人媒体、SNS、友人紹介など)
  • 施設の現在の課題(離職率が高い、応募数が少ないなど)
  • 「3年後、この人にこんな風に働いていてほしい」という理想像

こうした情報があれば、制作会社はより的確な企画と撮影プランを提案することができるのです。

採用動画を活用した「ミスマッチ防止」の重要性

採用動画の本当の価値は「応募数を増やすこと」ではなく「入職後のミスマッチを防ぐこと」にあります。これは一見すると矛盾しているように見えますが、実は採用において最も経営的価値の高い施策なのです。

なぜなら「採用費よりも、採用後の離職コストの方が遥かに高い」からです。一人の職員が3ヶ月で辞めてしまった場合、以下のコストが発生します。

  • 募集費用(再度の求人掲載):10~30万円
  • 研修に費やした時間コスト:50~100万円相当
  • その職員が処理しなかった業務を他のスタッフが対応するコスト:月20~30万円 × 3ヶ月
  • 利用者さんのケア品質低下による信頼損失:測定困難だが大きい
  • 施設全体の士気低下コスト:測定困難だが大きい

合計すると、一人の離職には150~200万円以上のコストがかかっているのです。

採用動画が「期待値の正確な伝達ツール」として機能することで、以下のような良い効果が生まれます。

  • 自己選別の促進:動画を見て「自分には向いていない」と気づく人が応募しなくなる(この人たちが後で辞めていた人)
  • 入職後の期待値のズレ軽減:動画で見た内容と実際の業務のギャップが小さくなる
  • 「この職場なら続けられる」という確信:採用前から職場の現実を理解している新人は、初期の挫折感が少ない

つまり、採用動画によって「採用数は少し減るかもしれないが、採用の質が劇的に向上する」という現象が起きるのです。これは一見すると損失に見えますが、実は採用コスト全体(採用費+研修費+離職コスト)を最小化する、最も効率的な施策なのです。

よくある質問(FAQ)

Q1:介護業界の人手不足は本当に深刻ですか?

はい、極めて深刻です。厚生労働省の『介護労働実態調査』(2024年度)によると、介護職の有効求人倍率は約4倍で、全職種平均の1.2倍を大きく上回っています。また、訪問介護事業所の介護職員不足率は約35%に達しており、多くの施設が定員を下回る状態が常態化しています。参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_shougaisha/jitsujo/gaiyou.html

Q2:採用動画だけで介護業界の人手不足は解決できますか?

採用動画は『必要条件』であり『十分条件』ではありません。動画は求人媒体やSNSでの応募率向上、面接辞退率の低下、入職後の離職率低下に直結する強力なツールです。しかし、給与や待遇の改善、働き方改革の推進など『母体の施設改革』なしに、動画だけで人手不足は解決しません。採用動画は『施設の現状をリアルに見せるツール』なので、見せる内容が誠実であることが前提です。

Q3:「きつい・汚い・給料安い」イメージを動画で払拭するのは無理では?

『払拭』ではなく『向き合う』のが正解です。イメージを隠したり美化したりすれば、入職後のミスマッチと離職につながります。大切なのは、確かにきつい部分もあるけれど『その先にある喜びや成長』『利用者との関係の豊かさ』『一人ひとりへの感謝』を、動画のリアルな映像で見せることです。これが『イメージの払拭』ではなく『イメージの上書き』につながるのです。

Q4:採用動画の制作費用は介護施設の経営を圧迫しないか心配です

採用動画は『採用コストの削減投資』です。一人の介護職員を採用するのに一般的に50~100万円の採用費(求人媒体費、採用担当者の時間、研修費など)がかかります。10~30万円の採用動画制作に対して、その動画が3~5人の応募者の質を向上させれば、すぐにペイします。さらに、入職後の離職率低下(動画で期待値が合致した人の離職率は低い)を考えれば、長期的には大きな経営改善につながります。

Q5:採用動画の制作期間はどのくらい必要ですか?

通常、企画・ヒアリングから納品まで6~8週間が目安です。撮影自体は1~2日で完了しますが、現場スタッフの協力日程調整、素材の編集・校正、複数バージョン制作などで時間を要します。緊急対応が可能な場合もあるため、まずはお気軽にご相談ください。

Q6:小規模な訪問介護事業所でも採用動画は効果がありますか?

むしろ小規模事業所こそ採用動画が活躍します。大規模施設では『組織としての堅さ』を見せるのが採用動画の役割ですが、小規模事業所では『社長や管理職との距離の近さ』『一人の利用者に深く関わる喜び』『個人の提案が反映される職場環境』など、大規模では決して見せられない強みがあります。これらは動画での『密着』撮影でこそ最大に引き出せるのです。

まとめ:採用動画は「施設の経営危機を打開する投資」

介護業界の人手不足は、採用広告を増やしたり、給与を少しだけ上げたりする「小手先の対策」では解決できません。有効求人倍率が4倍という現状は、「採用努力をしている施設」と「採用努力をしていない施設」の差が、極めて顕著に出ているということです。

多くの施設がいまだに「求人媒体に登録して、応募を待つ」という受け身の姿勢を取っている中で、採用動画という「施設が主体的に発信するツール」を持つことは、極めて強い競争優位性になるのです。

採用動画は、その仕事の現実を正直に見せながら、同時に「この仕事に人生の意義がある」ということを伝える、最強のコミュニケーションツールです。本記事で解説した7つの鉄則は、単なる「映像技法」ではなく「採用戦略の本質」であり、これらを実装することで、あなたの施設は「採用媒体から探されるのを待つ施設」から「求職者が主体的に応募したいと思う施設」へと変わるのです。

本記事で解説した7つの鉄則は、単なる「映像技法」ではなく「採用戦略の本質」です。

  • 利用者との関係性を見せることで「この仕事の本質」を理解させ
  • 1日の流れを見せることで「現実的な働き方」を伝え
  • キャリアパスを見せることで「将来への希望」を持たせ
  • 感謝の瞬間を見せることで「やりがい」を感じさせ
  • 成長の事例を見せることで「可能性」を示し
  • 給与・待遇改革を見せることで「経営層の本気」を伝え
  • マルチチャネル配信で「最大数の目に触れさせる」

これらがすべて揃った時、採用動画は「施設のための採用ツール」ではなく「求職者と施設をマッチングさせる信頼の仲介者」になるのです。

あなたの介護施設・訪問介護事業所でも、今から採用動画による採用力の強化に取り組むことはできます。重要なのは「完璧な動画」ではなく「誠実な動画」です。現場のリアルを見せる勇気があれば、質の高い応募者は必ず集まります。

採用密着動画とは何か、その効果と制作フローについては別記事で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。また、採用ブランディング戦略全体の中で、採用動画をどう位置づけるかについても重要な観点です。さらに、採用動画の費用相場採用ミスマッチ防止についても参考にしてください。また、医療・看護業界の採用動画も同様の課題を扱う関連記事として参考になります。

新井 俊輔
FOKO代表 / 元採用担当者
大手企業の採用部門で5年間、採用戦略と採用動画の企画に従事。その後、中小企業の採用課題を解決するため、FOKO(採用密着動画制作サービス)を立ち上げ。「採用で企業の成長を加速させる」をミッションに、日々中小企業と向き合っている。

介護業界の採用課題、無料で相談できます

有効求人倍率4倍の介護業界で、本当に効く採用戦略とは。採用密着動画を活用した人材獲得について、元採用担当の代表がお話しします。
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