社員10名以下の会社の採用予算はいくら?|ROIで考える「投資 vs 消費」の分岐点
目次
「採用予算はいくら?」と聞かれたら、まず何を聞き返すべきか
予算の額は「結果」であり「出発点」ではない
採用予算の額は、先に決める数字ではなく、採用計画から逆算する数字です。まず問い直すべき質問は3つです。
質問① 今年、何人を採用する必要があるのか?新卒か中途か、職種は何か。採用難度と採用コストは大きく変わります。
質問② どの採用チャネルを使うのか?求人広告、人材紹介、SNS、社員紹介。チャネルで費用構造が全く異なります。
質問③ 採用にかかる「準備期間」はどのくらいか?期間が短いほど、集中的な費用投下が必要になります。
社員10名以下企業が陥りやすい罠
社員10名以下の企業は、採用予算が限定的です。だからこそ「安い媒体」に頼りがちですが、これは危険です。大切なのは「費用対効果(ROI)」です。社員10名以下だからこそ、1人の採用の失敗は経営に直結します。
採用予算の「正しい考え方」4ステップ
ステップ①:採用損益分岐点を出す
その人を採用することで、会社がどのくらい利益を得られるのか、という期待値を計算します。
| 項目 | 金額 | 説明 |
|---|---|---|
| 想定年収 | 300万円 | 採用予定職種の標準年収 |
| 粗利率 | 30% | 業種平均(サービス業) |
| その人が生み出す粗利(年間) | 90万円 | 300万円 × 30% = 90万円 |
| 採用に投じていい上限 | 45万円 | 粗利の50%を損益分岐点 |
つまり、この例では「1人あたりの予算を設定することで、採用コストを回収する計画が立てられる」という考え方です。社員10名以下の企業の場合、採用に投じる金額は、自社の人件費構造と回収期間から逆算して設計することが重要です。
ステップ②:媒体費・紹介手数料・制作費に分解
採用費用の3つのカテゴリ
カテゴリA:媒体費(毎月発生) 求人サイト掲載、SNS広告など。相場:月1~5万円
カテゴリB:紹介手数料(成功報酬) 人材紹介エージェント。相場:採用者の年収の20~35%。採用できなければ払わない利点があります。
カテゴリC:制作費(資産化投資) 採用サイト、採用動画など。一度作れば複数年活用できる「資産」です。相場:10万円~100万円。
社員10名以下企業の多くは、カテゴリAの媒体費に頼りがちです。が、本来は「カテゴリCの制作費に投資して資産を作り、カテゴリAを減らす」という戦略の方が、長期的なコスト効率が良くなります。
ステップ③:「投資」と「消費」に分ける
複数年視点を持つことが重要
単年消費:その年限りで効果が消える施策 求人広告の掲載費、説明会の会場レンタル料。毎年同じ費用を払い直す必要があります。
資産化投資:複数年にわたって価値が残る施策 採用サイトの構築、採用密着動画。初期費用はかかりますが、2~3年活用できます。
経営的には「資産化投資」の比重を高めることが、長期的な採用コスト削減につながります。例えば、採用密着動画を30万円で制作し3年使い続ければ、1年あたり10万円のコスト。一方、毎年20万円の求人広告費を払い続けるなら、3年で60万円。動画の方が効率的です。
ステップ④:月次予算運用の型
採用予算を決めたら、それを月別に配分する必要があります。採用ペースが「いつ、何人」なのかによって、月額予算は大きく変わるからです。
例えば、年間3人の採用を予定しているなら、「年間45万円 ÷ 12ヶ月 = 月3.75万円」とするのは、実は間違っています。
正しくは「年間3人 = 3ヶ月に1人のペース」と考え、「3ヶ月分の費用を1回の採用に集中投下する」という考え方です。毎月細く使い続けるより、集中的に露出を高める方が応募も増えやすいからです。
📋 あなたの会社は大丈夫?採用予算配分チェック
- 採用に『年間いくら』使っているか即答できますか?
- 予算配分を『感覚』で決めていませんか?
- 採用コストの削減余地を把握していますか?
1つでも引っかかれば、予算配分の見直しで改善余地があります。
中小企業の採用コスト相場
経産省・中小企業庁のデータから見える実態
経産省と厚労省が公表している統計から、以下のような傾向が見えてきます。
小規模企業の採用コストについて
採用には、媒体費・紹介手数料・工数を含めるとまとまった金額になる傾向があります。職種、採用チャネル、地域によって大きく変動します。
大事なのは「相場は参考値に過ぎない」という認識です。大切なのは「その予算で、想定通りの人材が採用できるか」という視点です。
採用予算モデルケース3パターン
モデル① 小売業(年3~4名採用)
| 施策 | 月額予算 | 年間予算 |
|---|---|---|
| 求人サイト掲載 | 3万円 | 36万円 |
| SNS発信 | 0.5万円 | 6万円 |
| 制作費(年1回) | 1.25万円 | 15万円 |
| 合計 | 4.75万円 | 57万円 |
モデル② IT企業(年1~2名採用)
| 施策 | 年間予算 |
|---|---|
| エンジニア向けサイト | 60万円 |
| SNS採用 | 12万円 |
| 採用密着動画制作 | 30万円 |
| 合計 | 102万円 |
モデル③ サービス業(営業職、年2名)
| 施策 | 年間予算 |
|---|---|
| 求人サイト | 36万円 |
| 人材紹介手数料 | 25万円 |
| ブランディング動画 | 25万円 |
| 合計 | 86万円 |
採用密着動画は「資産」である理由
複数年活用のROI計算
採用密着動画は、れっきとした「資産化投資」です。理由は、1本の動画が2~3年活用できるからです。
30万円で制作した場合、3年使い続ければ1年あたり10万円のコスト。一方、毎年20万円の求人広告費を払い続けるなら、3年で60万円かかり続けます。採用密着動画の初期コストは高いように見えますが、複数年スパンで見ると圧倒的に効率的です。
さらに、採用密着動画を持つことで「媒体費そのものを減らす」ことも可能です。動画の力で応募率が高まれば、高額な媒体を使わずに済むからです。詳しくは採用動画の見積もりチェックも参考になります。
セルフチェック5項目
採用予算の考え方に関する5つのチェック項目
- 採用1人あたりの「損益分岐点」を計算したことがある
- 年間採用数から逆算して、月別の採用予算を組み立てている
- 採用費用を「単年消費」と「資産化投資」に分けて管理している
- 「費用がかかった」より「ROIはどうだったか」で施策を評価している
- 「1人の採用の失敗は致命的」という危機感を持っている
結果解釈: 3個以上チェックできれば、採用予算の「正しい考え方」が身についている可能性が高いです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 採用予算がない場合、何から始めるべきですか?
「無料施策」と「後払い型施策」の2軸で考えましょう。無料は自社採用サイトの充実、SNS発信、社員紹介。後払いは「成果報酬型」エージェント。採用動画も「資産化投資」と考えれば初期費用は後年で回収できます。採用コスト削減のガイドも参照ください。
Q2. 採用費用を削減しているのに応募が来ないのはなぜですか?
「削減」と「効率化」は別です。単に予算を減らすだけでは応募の質が低下します。大切なのは「1名あたりの採用コストを下げる」こと。採用コスト上昇の原因と対策も参考になります。
Q3. 紹介手数料は必ず払う必要がありますか?
紹介手数料の価値は「確実な人材確保」にあります。時間をかけるより、手数料を払って早期に確実な人材を確保する方が機会損失を防げることもあります。大切なのは「ROI」を常に意識することです。
Q4. 月額予算を決めるときのポイントは何ですか?
採用ペースを基準に考えることです。「年間何人を採用するか」から逆算し、月別に配分します。例えば年間3人なら「3ヶ月に1人のペース」と考え、3ヶ月分の費用を1回の採用に集中投下する方が効果的です。
Q5. 採用密着動画は「投資」?「消費」?
採用密着動画は「資産化投資」です。2~3年活用でき、その間ずっと応募率を高めます。一方、求人広告の掲載費は「消費」。毎月費用が発生し、掲載をやめると効果も消えます。複数年で比較すれば、動画がいかにROIが良いかが見えます。
Q6. 採用予算を「投資」と「消費」に分ける基準は?
「次月以降にも価値が残るか」で判断します。採用動画、採用サイト構築など「資産として残る施策」は投資。求人広告掲載費、説明会会場レンタルなど「その時限りで消費される施策」は消費として分類します。
まとめ
社員10名以下企業の採用予算を考える際、最も大切なのは「相場がいくらか」ではなく「自社にとって最適な予算配分は何か」という問い直しです。
採用損益分岐点の計算、媒体・紹介・制作費の分解、「投資」と「消費」の区別——これらを理解することで、採用コストは「経営課題」から「経営戦略」に変わります。
社員10名以下だからこそ、1人の採用は重い。その重さを理解できる企業が、長期的に成長する。
採用密着動画のような「資産化投資」に目を向け、複数年スパンでのROIを意識する。詳しくは採用密着動画の完全ガイドも参照ください。
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