採用動画の費用相場|中小企業のための完全ガイド【2026年版】
採用動画の費用を決める前に「相場が分からない」「見積もりを見ても何が適正なのか判断できない」という悩みを持つ人事担当者・経営者は多いのではないでしょうか。実は、採用動画の費用は「制作内容」「制作会社の規模」「品質水準」によって10万円から500万円超まで、50倍以上の幅があります。なお、採用動画全般についてより広く学びたい方は、採用動画 完全ガイドをご参考ください。
この記事では、採用動画の費用相場を費用帯ごとに明確にし、費用を左右する5つの変数を工程別に分解し、見積もり時のチェックポイント、依頼先別の価格構造、中小企業が費用を抑える実践的テクニックまで、元採用担当者として100社以上の発注経験をもとに完全解説します。
採用動画の費用相場を一覧で把握する
採用動画の費用は、制作内容と目指す品質水準によって4つの層に分かれます。以下は、それぞれの特徴と目安額です。
簡易版(10~30万円)の内訳と特徴
概要:テンプレートやストック素材を活用し、最小限の取材で制作する版です。
- 撮影日数:0~1日(既存素材活用)
- 撮影場所:1~2ヶ所
- 出演者:社員2~3名程度のインタビュー
- 編集:シンプル(テロップ・BGM基本)
- 納期:2~3週間
- 尺:30秒~1分
簡易版は「初めての採用動画」「まずは試験的に」という企業向けです。ただしテンプレートを使用するため、他社と類似したデザインになる可能性があります。中小企業がスタートするには最適な選択肢ですが、「企業固有の魅力」を引き出すには不十分です。
標準版(30~80万円)の内訳と特徴
概要:専門家による企画から撮影、編集まで、一通りの工程を丁寧に行う版です。
- 撮影日数:1~2日
- 撮影場所:3~5ヶ所(本社・製造現場・休憩スペースなど)
- 出演者:社員5~10名のインタビュー
- 編集:テロップ・BGM・簡易カラー補正
- 修正回数:3~5回
- 納期:4~6週間
- 尺:2~3分(フル版)+ 15秒・30秒版
標準版は「企業の個性を伝える」「採用応募数を増やしたい」という中小企業向けです。採用サイト、求人媒体、SNS、YouTube等に展開できます。費用と品質のバランスが最も優れており、多くの中小企業が選択する層です。
本格版(80~200万円)の内訳と特徴
概要:プロの映像チームによる高品質なドキュメンタリー制作です。
- 撮影日数:3~5日
- 撮影場所:複数地点(工場・営業所・社員宅での撮影も含む)
- 出演者:複数部門の社員、取材インタビュー
- 編集:カラーグレーディング・複雑な映像処理・ナレーション
- 修正回数:無制限に近い
- 納期:2~3ヶ月
- 尺:5~10分のドキュメンタリー + 複数の派生版
本格版は「採用ブランディング」「大手競合との差別化」「業界でのポジショニング確立」を目指す企業向けです。社員教育用、IR用途、展示会用など、複数の活用場面を想定できます。
ハイエンド版(200~500万円)の内訳と特徴
概要:映画・テレビ級の制作スタッフによる最高品質の制作です。
- 撮影日数:5日以上、複数拠点での長期取材
- 撮影機材:シネマカメラ・ドローン・特殊撮影機器
- 出演者:複数部門、経営層から新入社員まで
- 編集:エモーショナルな映像表現・複雑な視覚効果
- ナレーション:著名人・プロ声優
- 修正回数:完全フリー
- 納期:3~6ヶ月
- 尺:複数の全編バージョン + 各種派生版
ハイエンド版は「上場企業」「グローバル採用」「採用動画そのものをマーケティング資産にしたい」企業向けです。中小企業の場合、このレベルの投資はほぼ不要です。
なぜ採用動画の費用は「相場」が見えにくいのか
動画の種類による費用の桁違い
「採用動画」という言葉でひとくくりにされていますが、実は大きく4つのタイプに分かれます。
| タイプ | 内容 | 費用相場 | 制作難度 |
|---|---|---|---|
| インタビュー型 | 社員へのインタビューを中心とした構成 | 10~50万円 | 低 |
| 密着型 | 社員の実際の1日を追う。FOKO最得意分野 | 30~150万円 | 中 |
| ドキュメンタリー型 | 会社の歴史・文化・ビジョンを映像化 | 80~300万円 | 高 |
| アニメーション型 | 職務説明・制度紹介などをアニメで表現 | 50~200万円 | 中~高 |
同じ「採用動画」でも、インタビュー型は20万円、ドキュメンタリー型は150万円、という具合に費用が大きく異なります。これが「採用動画の相場は?」という質問に答えにくい理由です。
「制作会社 vs フリーランス」の価格構造の違い
同じ品質の動画でも、発注先によって費用が異なります。
- 大手制作会社:企画力が高い反面、マージンが大きい。50万円以上が基準。
- 中堅制作会社:バランスが良く、30~100万円が多い。
- フリーランス:単価は低いが、品質ばらつき大きい。10~40万円。
- 内製(自社制作):初期投資(機材30~50万円)後は人件費のみ。
フリーランスに発注する場合、「企画」「撮影」「編集」を別々に発注する必要があり、管理手間が増えます。その代わり、単価は低いです。制作会社は「ワンストップ対応」が強みです。
「採用目的」と「PR目的」の混同が相場感を歪める
採用動画とPR動画は、見た目は似ていますが、目的が異なります。
- 採用動画:「求職者の視点」で、職場環境、社員、やりがいを伝える。ターゲット:求職者。効果測定:応募数・応募質
- PR動画:「ステークホルダー全体」に企業価値を伝える。ターゲット:顧客、投資家、メディア。効果測定:認知度・ブランド価値
PR動画は採用動画の2~3倍の予算がかかります。「採用動画で500万円」という話があれば、実は「PR動画」の可能性が高いです。
採用動画の費用を決める5つの変数
① 尺(フル版・ショート版・SNS版)
尺が大きいほど、編集時間が増えるため費用は上昇します。
- 15秒版(SNS用):編集時間 6~10時間、+ 5~10万円
- 30秒版:編集時間 10~15時間、+ 8~15万円
- 1~2分版:編集時間 20~30時間、+ 15~25万円
- 3~5分版(フル版):編集時間 40~60時間、+ 30~50万円
- 10分以上版:編集時間 80時間以上、+ 60万円以上
複数バージョンの制作を依頼する場合、「フル版を1本制作した後、そこから派生版を作る」というアプローチで費用削減できます。
② 撮影日数と場所数
撮影日数は、ロケーション手配、スタッフの拘束時間、機材運搬にすべて関わります。
- 1日撮影(1~2ヶ所):+ 15~25万円
- 2日撮影(3~5ヶ所):+ 25~40万円
- 3日以上撮影(複数拠点):+ 50万円以上
工場や製造現場の場合、「安全対策打ち合わせ」「事前ロケハン」に別途時間が必要で、これらは見積に含まれることもあります。
③ 出演者数と拘束時間
出演者の拘束時間は、ギャラ発生の有無に関わらず、スケジュール管理費用として見積に反映されます。
- 社員出演(ギャラなし):管理費 5~10万円
- 外部キャスト1~2名(ギャラあり):+ 10~30万円
- 著名人・プロ声優:+ 50万円以上
社員出演の場合、「本人の同意取得」「撮影日のスケジュール調整」「照明・メイク対応」といった間接コストが発生します。
④ 編集の手間(テロップ・BGM・カラー補正)
編集の複雑さが、全体制作時間の40~60%を占めます。
- シンプル編集(テロップなし、BGM数曲):+ 10~20万円
- 標準編集(テロップ100枚程度、BGM・効果音5~10曲):+ 25~40万円
- 複雑編集(テロップ200枚以上、複数の映像エフェクト、カラーグレーディング):+ 50万円以上
字幕の多さ、色補正の細かさ、アニメーション効果の数が、直接的に編集費用を増やします。
⑤ 修正回数と納期
修正回数が増えるほど、制作スタッフの拘束時間が長くなります。
- 修正回数無制限:基本費用から + 0円(パッケージに含まれる)
- 修正回数3~5回:基本費用に含まれる
- 修正6回以上:1回あたり 3~5万円の追加費用
- 急納(1週間以内):+ 10~30万円
初期の打ち合わせで「修正は2回まで」と明記することで、追加費用を防げます。
費用の内訳を工程別に完全分解する
採用動画の制作費は、大きく5つの工程に分かれます。標準版(50万円)を例にとると、このような配分になります。
企画・ヒアリング費用
目安:5~10万円(制作費全体の10~15%)
企画段階では、以下の作業が含まれます。
- 初期ヒアリング(2~3回、各1~2時間)
- 業界研究・競合分析
- 企画案作成(複数案)
- 撮影構成表・絵コンテの作成
- 出演者の選定・スケジュール調整
制作会社選びの段階で、企画力を重視する企業が最も成功率が高いというデータがあります。
撮影費用(カメラマン・音声・照明・機材)
目安:15~25万円(制作費全体の30~40%)
撮影費用の内訳は以下の通りです。
- カメラマン日当:1日 3~5万円
- 音声スタッフ日当:1日 2~3万円
- 照明スタッフ日当:1日 2~3万円
- ロケーション管理費:1~5万円
- 機材レンタル(カメラ・マイク・照明):1日 5~10万円
撮影前の現場視察(ロケハン)も実施する制作会社は、本番での失敗が少ない傾向にあります。
編集費用(粗編集・本編集・仕上げ)
目安:15~20万円(制作費全体の30~40%)
編集作業は3段階に分かれます。
- 粗編集:撮影素材をつなぎ、流れを整える(10~15時間)
- 本編集:テロップ・BGM・効果音を入れ、色補正(20~30時間)
- 仕上げ:最終チェック、エンコード、納品形式への対応(5~10時間)
この段階での修正が、追加費用の最大の発生源です。見積もり段階で「修正上限」を明記することが重要です。
ナレーション・BGM・字幕費用
目安:8~15万円(制作費全体の15~25%)
- ナレーション:記者・プロ声優(5~10万円)、フリー素材(0円)
- BGM・効果音:著作権フリー素材(無料~5万円)、カスタム作曲(10~50万円)
- 字幕・テロップ:含まれることが多いが、複雑な場合は追加
密着動画型では、ナレーション量が多いため、この工程の費用が増える傾向にあります。
納品・運用サポート費用
目安:5~10万円(制作費全体の10~15%)
- 複数形式での納品(MP4・WebM・縦版など)
- 動画ホスティング(YouTube・Vimeo等への アップロード代行)
- SNS展開用素材の作成(サムネイル、説明文作成)
- 初期運用支援(1ヶ月分のSNS配信サポート等)
納品後の「活用支援」は、制作会社によって対応が大きく異なります。
「1本あたり費用」ではなく「1採用あたりコスト」で考える
1採用単価の計算式
採用動画の費用対効果を判断するには、「1本あたり費用」ではなく「1採用あたりのコスト」で考える必要があります。
1採用単価 = 採用動画制作費 ÷ 採用人数(その年)
例えば:
- 制作費50万円で、年間3名採用 → 1採用単価 16万円
- 従来型(求人媒体のみ)の場合、1採用単価 30~50万円
- 差額:14~34万円の削減
動画の"資産化"による中長期ROI
採用動画は、制作後も3~5年の期間、継続的に活用できます。
- 1年目:制作費50万円、採用3名 → 1採用単価 16万円
- 2~3年目:追加制作費ほぼゼロ、採用5名/年 → 1採用単価 10万円(初期投資の1/3に低下)
- 4~5年目:さらに追加採用、1採用単価 5万円程度に
この「資産としての価値」を考えると、初期投資の高さは正当化されます。
求人広告費との比較
従来型の採用施策と、採用動画を組み合わせた場合の費用効率を比較します。
| 施策 | 年間費用 | 採用数の目安 | 1採用単価 |
|---|---|---|---|
| 求人媒体のみ | 80~100万円 | 2~3名 | 30~50万円 |
| 採用動画 + 求人媒体 | 50万円(初年)+ 40万円 | 4~5名 | 18万円 |
| 採用動画 + SNS展開(2年目以降) | 10万円(メンテ) + 20万円 | 5~7名 | 4~6万円 |
採用動画を活用することで、1採用単価が50万円から5万円に低下するケースもあります。
見積もりを取る際に必ず確認すべき10項目
見積書のチェックポイント
見積書を受け取ったら、必ず以下10項目を確認してください。
- 撮影日数と場所数:「1日、1ヶ所」か「3日、5ヶ所」か、明記されているか
- 出演者数と拘束時間:「社員5名、1日6時間」といった具体性があるか
- 編集の詳細:テロップ枚数、BGM曲数、色補正の有無が明記されているか
- 修正回数の上限:「修正は2回まで」「3回目以降は1回5万円」といった明記があるか
- 納期:「4週間」「6週間」など、具体的な納期が明記されているか
- 納品形式:MP4のみか、複数形式対応か、SNS用短尺版は含まれるか
- 使用権の範囲:「web利用のみ」か「放映権含む」か、制限はないか
- 追加費用の明記:ナレーション追加、カラー補正追加、急納等の料金体系が明記されているか
- サポート範囲:YouTube等へのアップロード代行、SNS配信アドバイスは含まれるか
- 契約条件:キャンセル料、著作権帰属、機密保持契約の有無
これらが曖昧に記載されている見積書は、後から「追加費用」が発生する危険性が高いです。
「追加費用」が発生しやすい典型パターン
パターン1:ナレーションが見積に入っていなかった
見積時に「ナレーションは別途」と言われなかったのに、制作過程で「ナレーション必須」と判明し、+ 8万円。
パターン2:テロップが予定より大幅に増える
企画段階では「テロップは控えめに」という想定だったが、実際には字幕が200枚以上必要になり、編集時間が倍になり、+ 15万円。
パターン3:修正回数の超過
「修正2回まで」という契約だったが、経営層のチェックが入り、修正3回目以降が必要になり、1回5万円×3回 = + 15万円。
パターン4:色補正・グレーディング
見積には「色補正」が入っていなかったが、制作会社が「品質の観点から必須」と提案し、+ 10万円。
パターン5:SNS用ショート版の制作
「フル版のみ」という見積だったが、営業サイドから「15秒版も必要」と要望が出て、+ 10万円。
相見積もりの正しい取り方
ステップ1:RFP(提案依頼書)を用意する
見積依頼時に、複数の制作会社に「同一条件」で提案してもらいます。RFPには以下を含めます。
- 制作目的・ターゲット
- 希望する尺(3~5分想定)
- 撮影日数(1~2日想定)
- 修正回数(2~3回想定)
- 納期(4~6週間)
- 予算感(参考値で 50万円程度を想定)
ステップ2:3社以上から提案を受ける
最低でも3社から提案を受け、単価だけでなく「企画の考え方」「実績」「サポート範囲」を比較します。
ステップ3:提案内容の詳細を確認する
A社「50万円、修正2回」、B社「45万円、修正無制限」というように、条件が異なることが多いです。「内訳の詳細さ」「修正対応の柔軟性」「企画提案の質」の3点で比較します。
フリーランスと制作会社の選択は、予算と品質期待値で判断すべきです。
依頼先別の費用傾向|制作会社・フリーランス・内製の違い
制作会社に依頼する場合の相場
費用帯:30~200万円(中央値 60万円)
メリット:
- 企画から納品までワンストップで対応
- トラブル時の責任が明確
- 撮影機材が充実している
- 修正対応が柔軟
デメリット:
- マージンが大きい
- 小規模な案件では割高になる場合がある
制作会社を選ぶ際の3つのチェック項目:
- 実績:「採用動画」の実績があるか?(PR動画と採用動画は大きく異なる)
- 業種理解:製造業、サービス業、IT業など、自社の業種での実績があるか?
- 企画力:提案時に「何をどう見せるか」という明確なビジョンが見えるか?
フリーランスに依頼する場合の相場
費用帯:10~80万円(中央値 35万円)
メリット:
- 単価が安い(制作会社の50~70%)
- 個人と直接折衝でき、融通が利きやすい
- スピード対応が可能なことが多い
デメリット:
- 「企画」「撮影」「編集」を複数人に依頼する必要がある場合が多い
- 品質のばらつきが大きい
- トラブル時の責任が分散される
- 修正対応が限定的なことがある
フリーランスを選ぶ際の3つのチェック項目:
- ポートフォリオ:実際の制作事例を見て、品質・スタイルが合致しているか
- 信頼実績:クライアントからの評判、口コミはどうか(CrowdWorksなどのプラットフォームでの実績))
- 契約書:著作権帰属、修正対応、支払い条件が明文化されているか
内製する場合のコスト構造
初期投資:50~150万円、年間運用費 10~20万円
メリット:
- 機材は資産化される
- 複数の動画を低コストで制作できる(スケール効果)
- ノウハウが社内に蓄積される
デメリット:
- 機材投資が大きい(カメラ20~50万円、照明5~10万円、マイク3~5万円)
- 撮影・編集スキルの習得に時間がかかる
- 企画力は外部より劣ることが多い
- 本業との両立が難しい
内製 vs 外注の選択は、制作量と品質期待値で決まるです。年間3本以上の採用動画制作を予定しているなら、内製も検討する価値があります。
中小企業が費用を抑える実践的テクニック
素材の使い回しと派生版の作り方
テクニック1:複数バージョンの同時制作
フル版(3~5分)を1本制作する際に、同時に15秒版・30秒版・1分版を作ってもらうと、個別制作より20~30%コスト削減できます。
理由:編集スタッフが既に素材を理解しており、カット作業が効率化されるから。
テクニック2:年度更新版の制作
初年度に50万円で制作した動画から、翌年度は「新入社員インタビュー部分のみ差し替え」という部分更新なら、10~15万円で対応できます。
テクニック3:シーン別の素材活用
採用動画で撮影した素材は、別の用途(IR、社内研修、顧客向けプレゼン)に流用できます。これらの「二次利用」を見越して撮影すれば、追加費用なしに複数の活用が可能です。
社員出演による出演料の削減
費用削減効果:5~20万円の節約
外部キャストを雇わず、社員に出演してもらうことで、ギャラは不要になります。ただし以下のコストが生じます。
- メイク・衣装合わせ:3~5万円
- 撮影日のスケジュール調整費(本業を離席させる間接コスト):5~10万円
中小企業では「社員の自然な表情」こそが最大の資産です。外部キャストより、実際に働く社員の方が応募者に説得力があります。
閑散期・時期調整による値引き交渉
費用削減効果:5~15万円の割引
採用動画の制作需要は「年2回の採用時期(3月、9月)」に集中します。反対に「5~8月」「11~12月」は閑散期です。
閑散期に発注すれば、制作会社も割引しやすく、10~20%程度の値引きが期待できます。
分割発注と段階的アップグレード
初年度:簡易版(20万円)で開始
まず簡易版を制作し、応募への効果を測定します。
2年目:標準版へのアップグレード(+30万円)
効果が確認できたら、企画・撮影・編集をグレードアップします。
このアプローチなら、初期投資を抑えながら、段階的に品質を高められます。
避けるべき「安すぎる案件」の特徴
価格だけで選ぶと起きる失敗
「他社より10万円安い」という理由だけで発注すると、以下のリスクが発生します。
- 企画打ち合わせが不十分:1回の打ち合わせで終わり、会社の本当の魅力が反映されない
- テンプレート使い回し:複数企業の動画が似たデザイン・構成になる
- 撮影品質の低下:安い機材・スタッフで対応し、映像の精度が落ちる
- 編集の雑さ:テロップの誤字、色合いの不統一、テンポの悪さ
「丸投げOK」系業者のリスク
特徴:「企画から納品まで、すべてお任せください」と謳う業者
リスク:
- 打ち合わせが最小限で、ヒアリング不足
- 完成後に「思っていたのと違う」という事態が起きやすい
- 修正対応の柔軟性が低い
- 製作過程での進捗報告がない
「丸投げ」は見た目は楽ですが、採用動画の品質は「ヒアリングの質」で90%が決まります。
低価格パッケージに潜む隠れコスト
例:「採用動画制作 10万円パック」
見積には以下が含まれていないことが多いです。
- ナレーション:+ 5万円
- 複数バージョン制作:+ 5万円
- 修正3回以上:+ 3万円×超過回数
- YouTube等へのアップロード代行:+ 2万円
- SNS展開用の短尺版:+ 5万円
総額が30万円になっていたというケースも珍しくありません。
費用対効果を最大化する発注の型
事前に決めるべきゴールとKPI
採用動画の制作に入る前に、必ず以下を定義します。
| 項目 | 設定例 |
|---|---|
| ゴール | 年間採用数を従来の2名から4名に増やす |
| ターゲット | 20~30代の異業種からの転職者 |
| 主要KPI | 採用動画経由での応募数 月20件以上 |
| 副次KPI | 動画視聴完了率 70%以上、平均視聴時間 2分以上 |
| 期間 | 公開後6ヶ月での効果測定 |
これらを事前に制作会社と合意することで、「企画」「撮影」「編集」が統一されたビジョンで進みます。
発注前のRFP(提案依頼書)の作り方
相見積もりを取る際、統一されたRFPテンプレートを用意します。
RFPに含める項目:
- 会社概要・業界・主要製品
- 採用動画の目的(採用人数増加、ブランド向上など)
- ターゲット(新卒、既卒、異業種転職者)
- 希望する動画のトーン(明るい、真摯、カジュアル)
- 撮影に関する制約(深夜稼働中の工場等)
- 予算感(30~60万円程度と想定など)
- 納期(3ヶ月以内希望など)
- 参考にしたい他社の動画(URLがあれば)
制作会社選定のチェックリスト
提案を受けた後、以下のチェックリストで制作会社を評価します。
| 評価項目 | 配点 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 採用動画の実績数 | 20点 | ポートフォリオで3本以上の実績確認 |
| 企画提案の質 | 25点 | 「どう見せるか」というビジョンが明確か |
| 撮影体制の充実度 | 15点 | カメラマン・音声・照明のスタッフ配置が明記か |
| 修正対応の明確性 | 20点 | 修正回数、追加料金が明文化されているか |
| コミュニケーション姿勢 | 10点 | ヒアリング時の質問の深さ、説明の丁寧さ |
| 予算納まり | 10点 | 見積額が予算内か、追加費用リスクが低いか |
総合70点以上で、発注候補として検討してください。
採用動画の費用に関するよくある質問(FAQ)
まとめ:採用動画は「費用」ではなく「投資判断」で考える
採用動画の費用は、確かに10万円から500万円超という幅広い選択肢があります。しかし、重要なのは「費用の絶対値」ではなく、「その費用でどれだけの採用効果が得られるか」という投資判断です。
「最安値」で見つけた10万円の動画で応募が来なければ、それは「浪費」です。反対に、50万円の動画で3名採用でき、1採用単価が16万円に下がれば、その50万円は「最高の投資」です。
採用動画を企画する際の3つの鉄則:
- 目的を明確にする:「何名採用するのか」「どんなターゲットか」を先に決め、そこから逆算して予算を組む
- 複数社から相見積もりを取る:同一条件で提案を受け、「企画力」「修正対応」「実績」で比較する
- 長期資産として考える:初年度は50万円の投資でも、3~5年で資産化すれば、年間単価は10~15万円に低下する
採用動画は『単なる制作物』ではなく、『採用ブランディングの要』です。費用対効果を最大化するには、制作会社選びの段階から「企画力」を重視し、制作後も「活用戦略」を組み込むことが不可欠です。
中小企業にとって、標準版(30~80万円)は最もコストパフォーマンスに優れた選択肢です。まずはここからスタートし、効果を測定した上で、段階的にグレードアップすることをお勧めします。
採用動画の費用・相場について、専門家に相談したい
採用動画の制作費用、見積もり、依頼先選びについて、実績100社以上の採用コンサルタントに無料で相談できます。